生クリームが分離した!原因は?復活法を実際にやってみた

生クリームの失敗談でよく耳にするのが生クリームがボソボソしてしまった、分離してしまったというものです。

その状況によるのでこれが原因だ!とは言えないのが難しい所ですよね。では考えられる原因について詳しく見ていきたいと思います。

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分離してしまう原因

・泡立てすぎ(オーバーホイップ)

・温度によるダメージを受けた

あたりが考えられます。

泡立てすぎ

一番シンプルな原因は泡立て過ぎです。

35%前後の生クリームなど脂肪が低い物は、8分立ての状態でもとろっとしていて角が立ちません。この状態でさらにあの角が立った状態まで!!

ツノがたった状態の写真

と気合を入れて混ぜ続けるとボソボソして分離という事になってしまうのです。

特に普段は植物性や添加物入りのクリームを使い慣れている人が、同じような感じで生クリームをホイップした際に多く起こります。それだけ純粋な生クリームは繊細なのです。

温度によるダメージ

もうひとつ考えられる理由として、購入後一度温度が上がってしまったことで、ダメージを受けてしまった可能性が考えられます。

また、氷水を敷かずにホイップした場合や、事前に冷やさずにホイップしている時もこれに該当します。クリームの温度管理について詳しくはこちらの記事をご覧ください。

特に、いつもと同じ方法でやっていて、同じくらいの時間しかホイップしていないのに分離してしまったという場合はこのケースの可能性があります。

ホイップは室内の空気を抱き込む作業。取り込まれた空気でクリームの温度はどんどん上昇してしまい、早く分離してしまったり、荒い仕上がりになるため、後でダレたり離水してしまう原因にもなります。

クリームをホイップする際に良く冷やすということは知っている方が多いのですが意外と一度温度ダメージを受けてしまったものは、その後良く冷やしてもそのダメージが消えないということを知らない方が多いようです。

ホイップ前やホイップする時にはちゃんと冷やしたのに…という方でも購入してから暑い車内にしばらく置いてあったり、冬場でも暖房がよく効いた場所に長時間などダメージを受けている可能性は高いです。

温度が上がってしまうと実際どのような事が起きているのでしょうか?

ホイップの仕組み

まずは通常状態のクリームをホイップしたときです。

クリームは水分と油(脂肪の球)が混在して(乳化)おり、元の状態ではこのようになっています。

クリームの初期状態のイメージ

この状態でホイップを行なうと脂肪球の表面が傷つき空気と水分を抱きこみます。空気が入るのでホイップすると液体のクリームががふわふわに変ります。

ホイップされた状態のクリームのイメージ図

ホイップをしすぎると、この鎖のようになった脂肪球が更に近くの脂肪球にくっつき…という事が繰り返され次第に脂肪の1つの塊(これがバター)へと変化します。

分離して水分が出てくる理由は、水分を抱き込んだ鎖が崩れたからなんです。

続いて高い温度によるダメージを受けていた場合です。

先程とは異なり、温度が上がると脂肪球内の脂肪が溶けて液状になります。

温度によるダメージを受けたクリームの状態のイメージ図

この状態は非常にもろく、少しパックを揺らしたような衝撃でも、脂肪球が壊れて中の油が出てきてしまい、周りの脂肪球とくっつきます。冷やしてもこのくっついた状態で固まる為変わりません。

イメージとしてはこんな感じです。

クリームが温度によるダメージを受け、くっついしてしまった状態のイメージ図

このように脂肪球同士が最初からくっついた状態ではホイップを行なっても、上手く水分と空気を包み込むことが出来ず、すぐに塊(バター)のようになってしまうのです。

購入後持ち帰るときは持ち帰り用の氷などを入れておくと安心かもしれませんね。

救済法について

さて、ここまで分離してしまう要因について書きましたが、分離してしまったクリームは復活できるのでしょうか?

良く知られているのは牛乳を少し加える事です。

ただし注意が必要なのは水分が出るほど完全分離したものは戻すことができません。

あくまで分離寸前のボソボソの状態からの復活法ということを覚えておいてください。もしホイップ中に様子が変わってきて、ボソボソしかけてやばいと思ったらすぐに止めることをお勧めします。

初期の段階ほど復活可能性が高いです。

実際にボソボソにさせたクリームに牛乳を加えて試してみました

クリームが分離した状態

今回使用したのは生クリームの36%(種類別クリームと書かれた添加物無しのもの)です。

牛乳を加えてそっと混ぜると…

分離したクリームに牛乳を混ぜた状態

このように見た目は少し前の分離していない状態に見えるようになります!

但し、このように復活させた場合、通常にホイップしたものよりも緩く、長時間の保存にはあまり向かないので、絞り袋でデコレーションした場合垂れてきてしまうかもしれません…

加えるのはクリームでもほぼ同様の状態となりました。ただ、あまりクリームが余っている状態というのはレアな気がするため、牛乳で試みるのが現実的かなと思います。

分離したクリームの活用法

復活法ではなく活用法になってしまいますが、分離したまま混ぜ続けてバターにしてしまうという手段もあります。

バターづくりの方法

①100均等で売っている、蓋が出来るカップを用意します。

私はよくプロテインシェイカーを使っています!100均などでも似たような容器はあると思いますが漏れには注意してくださいね。

②そこに分離したクリームをカップの1/3位入れ、蓋をして強く振ります。(たくさん入れてもいいですが結構大変になります笑)もし既に水分が出てきている場合は④に飛んでください。

③振っても音がしなくなったら、蓋をあけてお箸でくるくる混ぜ続けます。

④水分が出てきたら、別容器に移します。(ホエイと呼ばれる物で栄養たっぷりです!ぜひ料理に使ったり飲んだりしてみてください。味は無脂肪乳みたいです!)

⑤水分を移したらまた混ぜて水分を移して…を水分がほぼ出なくなるまで続けます。

⑥固まりが出来たらバターの完成です!ホイップのまま作った場合少し甘いバターなので、ラムレーズンと混ぜてバターサンド風トーストとかおすすめです!

砂糖を入れずに作った場合、少しの塩とバジルや明太子などを加えてパンにつけたりディップにするとおいしいです!簡単なのでお子さんの自由研究にもいいと思います。(私は自由研究でこれやりました笑)

バターにする際の注意

・作る際中に温度が高いとバターが溶けてくるので、途中冷蔵庫で冷やすと上手くいきやすいです。

・市販のバターとは違い、手作りバターは水分が多く腐りやすいので、その日中に使い切りましょう。

救済レシピ

できればホイップの状態に回復するといいのですが、分離の進み具合によっては修正不可能な場合もあります。(水分とバターの粒に完全に分かれた状態など)

また、バターにするにしても砂糖を入れてしまっているので使用用途も限られますし、水分量が多いため、お菓子に使うにも繊細なバランスで計算されたレシピに用いるのはあまりお勧めできません。

そんな時用に分離したクリームでもそのまま使用できるレシピをいくつか考えました。

実際に分離させたクリームで作ってみましたが、まさか分離していたクリームを使ったなんてわからないレベルでできたので、もし復活法がだめでバターづくりもイマイチ…という方はぜひ試してみてください。

分離クリームでできるお菓子

①ガトーショコラ風マフィン

②テリーヌショコラ(生ガトーショコラ)

③フロランタン

詳細の作り方は長くなるので、作ってみたいと思っていただければ下記記事をご確認ください。

前提として、砂糖のみを入れた生クリームを分離(水分とバターの小さな固まりに分かれたものでもOK)していても使用してできるように設計しています。

もちろん分離していない生クリームでもできます笑

分離している性質上、溶かしたうえで何かと混ぜる工程を経ることによって同様の使い方が出来るようにしたものです。

簡単な順(工程が少ない順に並べてありますので、分離してしまった際の気力に合わせて参考にしてみてください笑)

もし他にもできそうなお菓子があれば検証でき次第追記していきますね。

まとめ

クリームが分離してしまう原因

泡立て過ぎや購入後に温度ダメージを受けて分離しやすくなっていた可能性がある。

救済方法

①牛乳を加えてそっと混ぜる

②そのまま混ぜ続けてバターとして活用する

③ほかのお菓子にリメイクする

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