皆さんは生クリームをホイップしてボウルに入れたまま、翌日まで冷蔵庫でとっておいた経験はありませんか?
やったことある方はわかるかと思いますが、水分が出てゆるくなってしまうことが結構あります。
上の硬めの部分を使うという手もあるのですが、再立てを行うことで復活するかもしれません。
今回は生クリームの再立てでゆるくなったホイップは復活するのか検証してみました。
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再立てとはなに?
まず、再立てとはその名の通りもう一度泡立てるという意味です。
結構ケーキ屋さんの現場などでも行われたりします。
ただ、再立てを行う前提で仕込みを行うことも多いので、家庭でホイップした後に同じことをしても復活しない可能性はあります。
ケーキ屋と家庭では何が違う?
結論から言うと家庭ではほとんどの場合ホイップの終点まで立ててから保管することが多いかと思いますが、ケーキ屋の場合様々な用途に使うために比較的ゆるめの状態でホイップをやめて保管します。
簡単に言うと、ホイップが最後まで行ってからゆるくなったものと、途中で止めてゆるくなったものでは復活具合にかなり差が出てきます。
なぜ泡立てなおすと戻る?
これにはホイップがなぜできるかを理解する必要があるので、お時間のある方はこちらで詳しく解説しています。
お時間のない方向けにここでも簡単に解説します。
まずクリームには乳脂肪が含まれており、これはバターの粒を超小さくしたようなものだとお考え下さい。
ホイップすることでこの脂肪分同士がくっつき、クリームの水分と空気を抱き込みながらどんどん膨れ上がっていきます。
脂肪の鎖がきれいに繋がって、最大まで空気が取り込まれたくらいがホイップの終点と言われています。
ただ、ホイップが最後までいった状態で保管しておくと、このつながりが弱くなってきてしまいます。
図のようにほどけた部分から抱え込んでいた空気や水分が抜けたりすることでボリュームが落ち、離水が発生するのです。
ただ、この状態は脂肪のつながりがゆるくなっているので、再度衝撃を与えて脂肪同士をくっつければある程度は戻るため、泡立てなおすことができます。
ただ、一つ注意点。再立ての場合脂肪のつながりはほぼ出来上がった状態です。
特に家庭で行う場合多くはこの空気を最大まで含んだ状態、つまり脂肪球同士はすでに最大までつながった状態ということになります。
最大値まで空気が取り込まれた後もホイップし続けると、今度は脂肪同士がくっつきすぎてバターへと変わり始めるので、やりすぎると取り込んでいた水分と空気が逆に出てしまい分離するという可能性もあります。
一方でわざと途中で止めて保存していたものは比較的脂肪同士のくっつきが軽いので、再度ホイップしても固いホイップへ変化させやすいのです。
実際に試してみた
ではゆるくなってしまったクリームはどのくらいまで戻るのでしょうか?
最後まで立てたもの、途中まで立てたもので比較してみました。
今回使用したのは比較的時間をおいたら緩くなりやすい36%のクリームを使用して検証を行いました。(泡立てはハンドミキサーを使用)
まず8分立て(デコレーションの絞り出しで使うくらいの硬さ)の場合
ホイップして一晩冷蔵庫に追い置ておいたものがこちら。
水分が出ているのがわかります。すくってみてもトロトロした部分と元の硬さを維持している部分にムラがあり、混ぜると全体手的にゆるくなりました。
この状態から再度ホイップしてみます。
写真のように泡立てなおすと水分はなくなりました。
ただ、最後まで泡立てていた方は泡立てなおしても若干ゆるく、最初と比べるとダレやすい印象でした。
この状態でさらに冷蔵庫で1時間置いたものがこちら
少し見にくいですが、1時間で早くも下のほうに水分が出てきてしまいました。
やはり再立てした直後は戻ったように見えても離水はしやすいようです。
続いて6分立て(デコレーションのケーキに塗る時で使うくらいの硬さ)の場合
硬さはこれくらい。ムース~ナッペ用の間くらいですかね?
一晩おいたものがこちら。
こちらも最後まで泡立てたもの同様に水分は出てしまっていますね。
上が再立て後の状態です。水分は出ていましたが、再立て後はそこまでゆるくなく、先ほどのに比べると状態は良かったです。
さらに1時間ほどおいてみます。
最後まで立てたものは泡立てなおして冷蔵庫に置いておくとまた下の方が水っぽくなっていました。
ただ、6分立てで止めたものは若干ゆるさはあるものの、水っぽさまではいかない程度で抑えられていました。
以上のことから、やはり一晩おいて再立てすることがわかっている時は6分立てくらいで止めて保管がいいかもしれません。(というかわかっている場合は液体で保管が望ましいですが…笑)
ダレにくいクリームってある?
実は商品によって時間をおいたときのダレやすさは異なります。
メーカーさんや商品名はあえて挙げませんが、私の経験上、低脂肪タイプ(35%前後)のものや高脂肪でもロングライフタイプ(賞味期限が長くカートンにアルミが入っているもの)は時間がたつとダレやすいです。(あくまで経験上)
ダレにくいなと思うのは、比較的高脂肪(40%以上)のもので、乳化剤などが入っているものはさらにダレにくい印象です。
まとめ
クリームは泡立てなおすことで保管中にゆるくなった状態を回復させることができるが、最初の状態までは戻らない。
再立てする場合は少しゆるめの状態でホイップを止めておくと、泡立てなおしたときに復活しやすい。
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