【完全版】目的別!生クリームの選び方|使い分けと見分ける方法

皆さんは生クリームが必要になった時にどれを選べばいいのか迷った経験はありませんか?

実際に売り場へ行くと高いものから安いものまで様々で、お菓子作りに慣れている人でもどのクリームが作りたいものに合うのかわからない方も多いです。

今回は実際に洋菓子屋ではどういう使い分けをしているのかなど経験を踏まえて書いていきたいと思います。

また、お菓子だけでなく料理の観点からについても少し触れたいと思います。

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生クリームの種類と特徴

まず基本的なところで、クリームにはどんな種類があるのか簡単に見ていきます。

クリームには無添加の動物性、添加物ありの動物性、動物性と植物性のミックスクリーム(コンパウンドクリーム)、植物性のクリームと4種類に分けられます。

植物性と動物性の脂肪が両方含まれているクリームはコンパウンドクリームとも呼ばれ、市販ではあまり目にしないかもしれませんが、ケーキ屋やお菓子屋では定番のクリームです。

ざっくりと一覧表にしたものがこちら

クリームの分類

分類について詳しくはこちらの記事で解説しているのでよかったらご覧ください。

それぞれどの商品が該当するのかも書いておくので選ぶ参考にしてみてください。主にスーパーでも売っているような市販品メインに書いてます。

商品の例

①無添加の動物性クリーム
タカナシ 北海道純生クリーム
中沢 フレッシュクリーム

②添加物ありの動物性クリーム
明治 北海道十勝純乳脂
雪印 フレッシュ 北海道産生クリーム使用

③動物性&植物性(コンパウンドクリーム)
雪印 料理がクリーミー(ホイップ不可)
タカナシ 料理にクリーミープラス(ホイップ可)

④植物性クリーム
スジャータ ホイップ
雪印 ホイップ

メリットとデメリット

ではそれぞれの特徴(メリットデメリット)についてみていきます。

こちらも簡単に表にしてみました。

特徴一覧

①無添加の生クリームについて

これはクリーム本来の美味しさそのままの商品で、何より風味がいいのが最大の特徴です。ただ、価格が高いことと、慣れない方は少しホイップが難しく、分離させてしまうことがあるかもしれないので注意が必要です。

②添加物ありの動物性クリーム

この商品はクリームの風味を活かしつつ、作業性や賞味期限を延ばしたものです。作業性や保存期間を延ばすために添加物(乳化剤や安定剤)が入っているので独特の風味がします。

また、無添加のクリーム特有の脂肪の塊を生じないというのも大きな特徴です。

こちらの脂肪も動物性という部分は変わらないので価格は高めです。

③動物性&植物性(コンパウンドクリーム)

市販ではあまり見ないかもしれませんが、脂肪分の一部を植物性脂肪に置き換えたクリームです。

洋菓子店に勤めたことがある方やバイトをしたことがある方はよく目にするかもしれませんね。

主に業務用で使われており、クリームの風味、作業性、価格のバランスをとった商品が各メーカーからいろいろと出されています。

生クリームに比べると安価なので風味は劣りますが植物性脂肪のみのクリームよりは乳の風味があり、様々な機能を持ったクリームがあるため選択肢が多いというのもメリットです。

市販だとかなり珍しい商品なので選ぶ方は少ないかもしれませんが、通販サイトなどで手に入るので、気になったものがあれば購入してみてはいかがでしょうか。
※ほとんど1Lタイプなのでたくさん使うときにしましょう

④植物性のクリーム

こちらのメリットといえば価格が一番かもしれません。ホイップのしやすさから言っても一番手軽に使える商品ではないでしょうか。

ただ、クリーム独特の乳風味は香料などで補わない限り感じないので、味の好みは分かれてきます。

ケーキ屋さんで売っているような味をイメージして買うと少し期待外れになってしまうかもしれません。

動物性と植物性の見分け方

お菓子作り初心者の方だと動物性と植物性の見分け方がわからないという方もいるかと思います。

特にパッケージに純乳脂肪、植物性脂肪と書かれていないときの簡単な見分け方として、裏面を見て乳製品が原材料に書かれていれば動物性です。

種類別がクリームと書かれている

このクリームは特に動物性や純乳脂肪と書かれていませんが、乳製品しか原材料に書かれていないので動物性ということになります。

逆に植物油脂と書かれていれば植物性で、乳製品と植物油脂がどちらも書いてあればコンパウンドクリームです。

選び方のポイントと使い分け

ここからは選び方と使い分けについて説明していきます。

結論から言うと価格、味、難易度のバランスで選ぶことになります。

後はクリームを使うときにどう使うかもポイントです。ここは商品別ではなく用途別にみていきます。

ホイップとして使う

一番用途として多いのがホイップだと思います。

もしケーキ屋さんのような味を楽しみたい方は無添加のクリームがおすすめです。ただ、価格が高いのと、注意してホイップしないと分離してしまうことがあるのでしっかりと注意書きを読んでホイップしましょう。

詳しくはこのあたりの記事を見てみてください。

また、無添加のクリームはパックの中にクリームの塊ができることがあります。これを除いてホイップしてしまうと、うまくホイップできないので必ず中を確認してからホイップを開始しましょう。

クリームの塊についてはこちらで詳しく解説しています。

ケーキ屋さんとまではいわないので、手軽にホイップしたい!お子さんと一緒に作ってみたい!初めてホイップするので不安…という方は添加物ありの乳脂肪クリームや植物性脂肪がおすすめ。

というのも無添加だと注意点が多いのと、温度によって仕上がりに差が出るので、そういう心配が少ないクリームの方が失敗が少ないためです。

混ぜ込んで使う

チーズケーキや生チョコなどで本格的な味にこだわりたい方には生クリーム(添加物ありなし問わず)がおすすめです。

添加物に抵抗のない方は添加物ありのタイプの方が失敗が少なくきれいに仕上がることもあるのでおすすめになるかもしれません。

なぜかというと添加物の中には乳化剤が含まれます。この乳化剤は混ぜ込んだ時にチョコやチーズなどとの乳化(混ざり)もよくする効果が出ることがあり(ものによるので確実ではない)仕上がりが良くなることも。

また、ホイップしたときに感じた独特の風味がチョコやチーズの味でカバーされるのでそこまで感じる方は少ないかと思います。

乳脂肪ほどミルキーさはいらず、あっさりとさせたい場合や日々のおやつとして価格を抑えたい場合は植物性脂肪のクリームがおすすめ!

料理に使う

これについても混ぜ込んで使う場合とほぼ同様です。

あわせる食材や加熱時間によっては生クリームだと分離したり油が浮いたりする場合があります。植物性脂肪のものでもドロッとしてしまうことがあります。

特にトマトやワインなどと合わせる場合やパスタソースとして加熱する場合は加減が難しいので、料理用と書かれたものがおすすめです。

もちろん少し難しいというだけで使用するのは問題ないのでお好みで選んでもらってももちろんOKです!

料理用って書いているけどお菓子に使える?

たまに料理専用と書かれたクリームを目にしたことはありませんか?

こういったものはほぼ植物性クリームもしくはコンパウンドクリームで、加熱やトマトなどの酸に強い設計になっています。

また、ものによってはホイップできませんと注意書きで書かれていることもあります。

このクリームはあくまで料理向けではありますがホイップしないお菓子、例えば生チョコやチーズケーキなど泡立てずに混ぜ込む目的であれば問題なく使用できます。

もし間違えて買った場合でも、作るお菓子によってはそのまま使えるのであきらめないでくださいね!

クリームの味の違いに影響する要因

同じ生クリームで脂肪分もほぼ同じなのに味に違いがあり、このクリームの味が好き!という方もいるのではないでしょうか?

実は脂肪分が同じでもメーカーによって味はいろいろと違うのです。

では何がその味を決めるのでしょうか?

脂肪の種類

動物性と植物性はもちろんですが、同じ植物性100%でも味が大きく異なります。

植物性のクリームといっても原料となる植物は大豆、パーム、ヤシなど様々です。

さらにその部位によっても異なるので非常に組み合わせが複雑で、メーカーごとにいろいろな特徴付けがされています。

添加物の有無

先ほどご説明しましたが、動物性脂肪100%でも添加物が入っているものとそうでないものがあります。

この添加物、どうしても独特な風味があるので無添加のものを食べなれていると、後味で少し変わった風味がします。

もし気になる方は、コアントローなどお酒を極少量加えたりするとわかりにくくなるので、扱いやすさを重視したいけど味が苦手な方は試してみてください。

産地

ここが一番大きなポイントです。原料となる生乳の産地が北海道なのか本州側なのかで特徴が大きく変わってきます。

特徴が変わるのは味と色で、その差を生み出しているのは牛が食べるエサです。

本州は穀物が主体のことが多く、北海道では牧草主体のことが多いです。もちろん牧場によって一概には言えませんが、傾向としてはこの考え方で問題ありません。

味はこのエサの種類によって少しずつ異なるので、メーカーが使っている原材料の産地の違いで特徴が出てくるのです。

また、色についても同じで、牧草にはニンジンなどに多く含まれるβ-カロテンというオレンジ色の色素が豊富に含まれています。

この色素は脂と結びつきやすく、牛が食べると牛から出てくる生乳の脂肪とくっついた状態で出てきます。

そのため、北海道のクリームは黄色っぽいものが多く、本州でとれたクリームは白いものが多いです。※北海道でも穀物を食べている場合白いクリームになります。

一般的に黄色いクリームの方がコクを感じ、白いクリームは比較的あっさりとした味です。

余談ですが、関西にあるケーキ屋さんは白いクリームを好む方が多いと以前働いていたところで聞いたことがあります。

というのも昔は流通が発展しておらず、北海道のクリームはほぼ使われていませんでした。

そのため、クリーム=白というイメージがついており、黄色いクリームはお客さんに劣化して見られてしまうためとのことです。それくらい産地によって色が違うということですね。

おすすめのクリーム

黄色いクリームと白いクリームで分けてご紹介します。

黄色いクリーム

タカナシ乳業

タカナシ乳業の生クリームは脂肪の種類が35%、42%、47%の三種類があり、比較的手に入りやすいので自由にブレンドして好みの脂肪分を作れるのもいいところ。

また、200mlだけでなく100mlのものも発売されているので、少量でいい場合はすごく便利です。

業務用で広く使われていることから味も間違いなしで私のお気に入りの一つです。

中沢乳業

こちらも36%と46%のクリームがありタカナシと同じような使い方が可能です。最寄りのスーパーによっては中沢のものしかないところもありますのでお好みで。

大体スーパーにおいてある無添加の生クリームとなるとこの2つのメーカーが主です。

白いクリーム

オーム乳業

こちらは無添加生クリームでは珍しい比較的白いクリームとなります。

ただ、地域によってはあまりスーパーで見かけないので通信販売が主な入手経路になりそうです。

スジャータ(めいらく)

こちらは植物性クリームの代表でもあり、価格面で私もたまにお世話になります。

手軽にコスパ良く!ということならこの商品はおすすめです!

まとめ

①無添加のクリーム

何より風味がいいのが最大の特徴。お店のケーキを目指す方におすすめだが、価格が高いことと、少しホイップが難しく扱いに注意が必要。

②添加物ありの動物性クリーム

クリームの風味を活かしつつ、作業性や賞味期限を延ばしたもの。独特の風味がするが、混ぜ込むお菓子を作る場合には乳化剤がいい働き(仕上がりがきれい)をすることもある。

③動物性&植物性(コンパウンドクリーム)

ほぼ業務用のため、通販での入手が主。生クリームに比べると安価なので風味は劣るが、様々な機能を持ったクリームがあるため選択肢が多い。

④植物性のクリーム

価格とあっさりした味がメリット。ホイップのしやすさから言っても一番手軽に使える商品。クリーム独特の風味は感じないので、ケーキ屋さんで売っているような味をイメージして買うと少し期待外れになってしまうかも。

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