バターと砂糖を最初に白っぽくなるまで混ぜる理由を説明できますか?
よくパウンドケーキなどバターを使うお菓子の工程に「バターと砂糖を合わせて白っぽくなるまで混ぜ合わせる」というものがあるかと思います。
お菓子作りに慣れた方なら見慣れて当たり前と思っている方も多いかもしれませんが、この理由を説明できますか?
今回はその理由について書いていきたいと思います。
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製法による違い
まず、バターを使ったお菓子を作る際の方法としていくつか種類があるのをご存じでしょうか?
一般的には下記の3種類が用いられます。
・シュガーバッター法
・フラワーバッター法
・オールインワン法
砂糖とバターを最初に混ぜるのはシュガーバッター法という製法を採用しているためです。
おそらく一般向けレシピでは一番多く用いられている方法ではないでしょうか。
では、それぞれの製法と特徴についてみていきましょう。
シュガーバッター法
こちらは先ほど説明したように、最初にバターと砂糖を混ぜ合わせる製法です。よくパウンドケーキやクッキーなどに用いられています。
・工程の概要
①バターに砂糖を混ぜる
②卵を加える
③小麦粉を加える
④焼成
バターにはクリーミング性という撹拌すると空気を抱き込む性質を持っています。これによってケーキのふんわり感やクッキーのサクっと感を生み出します。
つまり、砂糖とバターを最初に白く混ぜるのは空気を取り込んで生地を膨らませるorさっくりさせる役割があったのです。
この製法での注意点はよくレシピに書いてあるように卵を加える時に分離しないようにする部分と小麦粉を加えた後の練らない混ぜ方が主なところです。
広く知られる方法ですがこの部分が意外と初心者の方には難しいです。
ちなみにこの製法で作った生地は、ふくらみが大きくふんわりしているが空気を含んでいるので気泡が多くキメが粗めという特徴があります。
フラワーバッター法
こちらはバターと小麦粉を最初に混ぜ合わせる製法です。
・工程の概要
①バターに小麦粉を混ぜる
②砂糖と卵を事前に混ぜ合わせたものを加える
③焼成
シュガーバッター法よりも分離などの失敗が少なく、初心者向けのレシピなどではこちらを採用しているものもあるかもしれません。
また、よくレシピの中で「小麦粉を加えた後に混ぜすぎないようにする」と書かれているかと思います。
これはグルテンが出て硬くふくらみが悪くなるのを防ぐ目的があるのですが、このフラワーバッター法ではあまり気にしなくて済みます。
グルテンは小麦粉に水を加えて練ることで作られ、油脂によって阻害されます。この製法の場合水分がなく、油脂と混ぜ合わせるためグルテンは作られにくいです。
そのため、グルテンが多くできやすい強力粉を多く用いるレシピなどに向いているとされています。
小麦粉の種類などについてはこちらを参考にしてください。
また、卵を加える際、小麦粉がすでに入っているので水分を吸収してくれて分離の失敗が少ないのも特徴の一つです。
バターと卵の分離についてはこちらで詳しく書いています。
この製法での注意点は砂糖を溶かすことくらいなのでレシピに書いてある通りに加えればとくに注意点はありません。
このように粉っぽさをなくす際のかき混ぜ方や卵を加える際に注意がいらないことから初心者の方にも失敗が少ないといわれる理由です。
この製法で作った生地は、ふくらみが小さいがキメが細かく、ギュッと詰まっているという特徴があります。
オールインワン法
こちらは最後に溶かしバターを混ぜるという製法。
・工程の概要
①卵と砂糖を混ぜる
②小麦粉を加える
③冷ました溶かしバターを加える
④焼成
マドレーヌの工程に似ている(同じ)ように、非常にしっとりしたものができますが、フラワーバッター同様にふくらみは少ないです。
失敗するポイントとしてはバターの温度によっては分離が起こるので温度管理が必要ということです。
バターが持っているクリーミング性などは液体にすると生かせなくなるので、生地にバター特有の風味と食感を与えるようなイメージとなります。
この製法で作った生地は、ふくらみが小さいがキメが細かくマドレーヌやフィナンシェのようにしっとりしているという特徴があります。
以上のように製法それぞれに特徴があり、ふんわりさせたいかずっしり重いものを作りたいかなどによって変わってきます。
見ているレシピがその工程を採用している理由は様々ですが、お菓子作りに慣れてきたら、いつものレシピ通りではなく、製法を変えてみると好みの食感や味に出会うことができるかもしれませんね!
※材料によってはその工程でないとできない場合があるので、シンプルなもの以外は調べてから挑戦してくださいね笑。
まとめ
砂糖とバターを最初に混ぜるのは空気を含ませて仕上がりをふんわり膨らませる目的があり、シュガーバッター法と呼ばれる。
他にも製法はあるので特徴を知ったうえで変更してみるのもありかも?
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