生クリームは殺菌されている?生だから加熱はされていない?と聞かれたとき、すぐに答えることはできますか?
生ビールなどのように、「生」とつくと加熱されていないように思う方の多いのではないでしょうか?
今回は、生クリームの加熱に関して、よく聞く疑問点を見てい
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生クリームは加熱殺菌されている?
結論から言うと日本で作られている生クリーム(種類別がクリームや乳等を主要…とする食品を含む)は全て加熱殺菌されたものです。
これらは乳等省令というもので決まっており、「保持式により摂氏63度で30分間加熱殺菌するか、又はこれと同等以上の殺菌効果を有する方法で加熱殺菌すること。」となっています。
要は一般的に低温殺菌牛乳などに用いられている63℃30分以上の殺菌能力がある方法で殺菌しなければいけないということです。
63℃30分以上の殺菌能力というと牛乳でよく行われている超高温殺菌などです。
なぜ加熱されているのに「生」と名前につくの?
加熱されているのに生とつくのは少し違和感がありますよね。
実は生クリームという名前は通称のようなもので正式な呼び名ではありません。
生乳から作られた無添加のものが生クリームだ!という方もいれば、植物性脂肪が入っていても生クリームと呼ぶ人もいます。
実際は乳等省令で以下のように種類別に定められています。
- クリーム:原材料が生乳からのみで無添加のもの
- 乳等を主要原料とした食品:生乳以外のものが混ざっているもの
一般的な呼び名から言うと種類別:クリームが生クリーム、種類別:乳等を主要原料とした食品がホイップクリームと呼ばれることが多いです。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
ではなぜ生クリームと呼ばれるようになったのか。
昔はケーキに使うクリームというと日持ちがしやすいバタークリームが主流でした。
時がたつにつれて冷蔵技術の発展や衛生的な製造方法などが普及してきたことで、生クリームが次第に使われるようになってきました。
諸説あるようですが、海外では生乳からできたクリームをフレッシュクリームと呼んでいたことから、日本でもフレッシュクリームを直訳した生クリームと呼ばれるようになったといわれています。
その他だと、バタークリームよりも生乳に近いことから生クリームと呼ばれるようになった説や、商品名で生クリームとついたものが出てきて総称として呼ばれるようになった説などがあるようです。
賞味期限が切れたら加熱すればいい?
昔の知恵のようなもので、火を通せば大丈夫というのを聞いたことはありませんか?
確かに生肉などで、食中毒の危険があるものはよく火を通せと言われることはありますが、賞味期限が切れてしまったものについても同じなのでしょうか?
結論から言うとこの考えはクリームに関わらず危険です。
賞味期限内のものや新鮮なものについては加熱すれば食中毒のリスクが減るかもしれませんが、期限が切れたものや腐っている可能性があるものは加熱しても食中毒の危険はあります。
食中毒には2種類あり、微生物本体が原因のものと、微生物が出す毒素が原因のものがあります。(今回は菌に関わるもののみ考えます)
微生物本体が原因の場合は、加熱処理が有効です。
ただ、微生物が出す毒素が原因の場合は加熱しても微生物のみ死滅し毒素は残ります。
毒素を出す微生物がいるかどうかは見た目で判断できないので、期限が切れたものや腐っている可能性があるものは加熱の有無にかかわらず食べないほうが賢明かと思います。
ちなみにですが、クリームを加熱した場合はホイップできなくなってしまうので注意してください。
まとめ
日本で作られている生クリーム類(種類別がクリームや乳等を主要…とする食品を含む)は全て加熱殺菌されたもの。
加熱されているのに「生」と呼ばれる理由は、海外では生乳からできたクリームをフレッシュクリームと呼んでいたこと、昔の主流だったバタークリームよりも生乳に近いことなどがある。
クリームに関わらず、食品全般で期限切れや腐っている可能性があるものは加熱しても食中毒のリスクがあるのでやめたほうがいい。
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