牛乳の紙パックが膨らんでいる?原因と大丈夫かの見分け方

牛乳の入った紙パックが膨張していた経験はありませんか?

私も何度か経験したことがあって、大丈夫かな?と心配になった経験があります。

いろいろな要因がありますが、飲んでも大丈夫なものとダメなものの見分けって難しいですよね。

今回は簡単な見分け方やなぜ膨らんでしまうのかについても詳しくご紹介します。

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膨らむ原因

容器の材質によるもの

牛乳パックなどの紙パックは紙にポリエチレンというものをコーティングして丈夫にそして染み込んで漏れないようにしてあります。

ただ、コーティングはしてあってもガチガチに固めてあるわけではありません。

所詮は紙なので圧力がかかれば膨らみます。

紙パックそのものの大きさから体積を計算すると規定容量よりも少ないのですが、中に牛乳を入れた時に少し膨らむので規定量になるという話も有名ですよね。

この膨らみは時間がたつほど(賞味期限が近くなるほど)ふくらみが大きくなる傾向があります。

ずっと長い間内部からの圧力を受けていると徐々に伸びてきてしまうのです。

また、温度差を受けた時に出来る結露も膨張を起こしやすくなる原因の一つ。

コーティングはされていても空気は多少通るので湿気を吸収してしまうことで同様に紙が柔らかくなって膨らんでしまいやすいです。

これが要因の場合、飲んでも問題はありません。

空気の体積によるもの

膨らみの原因の一つでパック内の空気の膨張があります。

牛乳パックは少し上部に空気が入っています。

空気は基本的に冷えると体積が小さくなり、温かくなると空気が膨張します。

冷やすと元に戻るのであれば恐らく一時的に空気が膨張していたことによるものだと思います。

もう一つ空気が膨張する要因として考えられるものがあります。

それは圧力差によるもの。

もしも同じメーカーの牛乳だけ膨らむというのであれば製造方法が関係しているかもしれません。

メーカーによっては牛乳をパックに詰めるときに、その機械の中の圧力を高める(陽圧と呼ぶ)という方法をしている場合があります。

きちんとした研究施設の実験室などでも結構取り入れられています。

これは機械(部屋)の中の圧力を高い状態にすることで、細菌やウイルス、ほこりなどを機械の中に入れないようにするための技術です。(空気は圧力の高い方から低い方へ流れるため)

その場合、牛乳パックの中に入る空気は圧力が高い状態ということになります。

ここで、学校の授業などでボイルの法則(PV=k kは定数)というものを聞いたことはないでしょうか?

温度と質量が一定であったときに圧力と体積は反比例の関係にあるというもの。

つまり空気の圧力が高ければ体積は小さく、圧力が低ければ体積は大きくなるという原理です。

わかりにくいので実際の式で説明します。

PV=pv(P:圧力、V:体積)

PV:機械の中の空気の状態、pv:機械から出た時の空気の状態

これは掛け算をしたらどちらも同じ値になるということを表しています。

機械の中は圧力が高くなっているとお話ししました。

この式に当てはめると圧力が高いという事は体積が小さくならないと式が成り立たなくなってしまいます。

仮に機械の中の圧力を20、機械の外の圧力を10としましょう。

そして機械の中の牛乳パック中には体積が5あったとします。

牛乳パックが機械の外に出た時の空気の体積を見てみると…

PV=pv
20×5=10×v
v=10

ご理解いただけたでしょうか?機械から出たパック内の空気の体積が5→10へ増えました。

あくまで理論上(本来は密度などが影響)なので実際にはここまで影響はないと思いますが、圧力のかけ方次第では膨らむ要因の一つと考えられるのです。

これが要因の場合は飲んでも問題ありません。

微生物によるもの

先ほどまでは問題なく飲める要因をご紹介しましたがこれに関しては飲んではいけない要因です。

牛乳は殺菌をすることで有害な微生物を殺していますが、完全に100%菌を殺せるわけではありません。

そのため、要冷蔵で保存というようになっているのです。
(ロングライフなどは通常よりもさらに高温で殺菌しているので常温でも保存できる)

もしも、常温で長く置いてしまうなど温度上昇を受けると生き残った微生物が増えてしまう場合も。

微生物が増えるとガスが発生するなどを理由に膨張することがあります。

この要因だった場合は飲んではいけません。

必ず保存方法を守り、保冷バッグや保冷剤などを活用しできるだけ早く持ち帰るようにしましょう。

どうやって原因を見分ける?

ここまで紙パックが膨張する要因はいくつかあることがわかりました。

ではどうやってその要因を見分ければいいのでしょうか?

微生物は目に見えない物なので、温度や紙パックの特性によって膨張したのか、それとも微生物の発生によって膨張したのか素人に判断するのは難しいです。

まずは開封してみてにおいや見た目がいつもと違ったり異常がないかを確認します。

もちろん変色や分離、固形物があったり、においが明らかにおかしいのはアウトです。

ただ、何も異常がなかった時でも注意点があります。

微生物の中には見た目やにおいに影響せずに増殖するものがありますが、多くは微生物の出す酵素によってたんぱく質の一部が影響を受けている場合が多いです。

そこで、牛乳について傷んでいるかどうかの簡単な判断方法があります。

それは加熱してみるというもの。

少し舐めてみて苦味や酸味を感じるかを確かめるという手もあるのですが、ちょっと怖い方もいますよね。

そういう方は少し牛乳を耐熱容器に移し、レンジや鍋で加熱してみてください。

もし分離したり、ボソボソと固まったらそれは劣化している証拠!

絶対に飲まないようにしましょう。

まとめ

牛乳パックが膨張する要因としては、「材質」、「温度変化」、「圧力差」、「微生物」の4つが考えられます。

飲んでも大丈夫なものか見分ける方法は、においや味、見た目のほか加熱して分離やボソボソにならないことを確認してみましょう。

参考:日本乳業協会 そうなんだ!正しい牛乳・乳製品の取り扱い
https://www.nyukyou.jp/asset/pdf/brochure/pamphlet13.pdf

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